〈はじめに〉
おひさしぶりです。いずです。
今回紹介するのは「サイネ/ハツミ」で、「ユリナ/ハガネ」に続く初心者用のデッキ紹介となります。ここ最近、身の回りやTwitterのTL上で「最近始めました!」という報告をたくさん見かけます。ですので、少しでもそういった方の助けになれれば嬉しいです。
さて、今回焦点を当てるのは「ハツミ」様となります。個人的に、このメガミ様は初心者が遊ぶのにもってこいの性能をしていて、是非とも「はじまりの決闘」の次に宿してほしいと思っています。
※ユリナ/ハガネと同じ構成で書きたいと思うので、デッキ構成は同じく最後の方の項目にします。
〈ハツミの性能〉
ハツミ様の特性は『航海』です。
前のターンに相手の攻撃があれば『順風』、なければ『逆風』となり、カードの性能が変化します。主に『順風』の時は攻撃に寄った性能、『逆風』の時には妨害に寄った性能になります。このゲームは相手のライフを0にすることが目的なので、『順風』の時を生かして、ハツミの高火力をぶつけて勝つのが基本戦略となります。
ハツミが、初心者におすすめな理由としては、以下の通りです。
①火力が高い
②テキストがわかりやすい
③立ち回りがわかりやすい
①『順風』時の「水流」3/2と「水雷球」2/2、「イサナ海域」3/3は1柱のメガミとして、破格の攻撃力となります。実際は隣のメガミの火力も加わるので、終盤では4,5点〜のリーサルを狙うことができます。
②「海嘯」を除き、ほぼ全てのカードの挙動がわかりやすく、直感的にプレイすることができます。
③中距離で攻撃札を叩き続ける(ビートダウンと呼ばれる)デッキなので、あまり難しい計算も要求されません。また、適正距離が4〜5で山札1巡目から攻撃できるのも、わかりやすいところだと思います。
〈ハツミの弱点〉
そんなハツミ様ですが、大きな弱点が2つあります。それは、以下の点です。
①『順風』『逆風』は相手が選択する
②『順風』時の後退力が少ない
①ですが、ハツミのリーサル打点は『順風』であることに大きく依存しています。終盤、相手はこまめに攻撃を続けることで、ハツミの火力を大幅に下げることができます。ハツミ側は「ミオビキ航路」を使うことにより、ある程度はこれを咎められるのですが、「ミオビキ航路」は対戦テンポをより有利にする効果なので、他のカードで対戦テンポが取れていないと有効であるとはいえません。では、対戦テンポを取ればいいのではないかというと、ここで②の問題が発生します。
②ですが、ハツミには、『順風』時にアドバンテージを稼ぐのが難しい、という問題があります。
有名なハツミの対策として『間合い2で順風で返す』というものがあります。実はハツミ側 は『間合い2順風』でできることが多くありません。ハツミの火力が上がるのは「水流 4-5 3/2」が当たるようになってからです。しかし、これを当てるために、1離脱と1後退をすると『集中力』と『オーラ』を計3つ失っています。ここに「水流」と「水雷球」の手札2枚でオーラを5点取ったとしても、リソース5つで相手のリソースを5つしか取れていないので、実は全く得をしていないことになってしまいます。
『順風』時に攻撃しながら間合い4に下がる手段があるとよいのですが、ハツミ自身がそういったカードを用意していません。つまり、ひとたび間合い2に着地されてしまうとハツミ側はかなり苦しい展開を強いられることになります。
相手がハツミ対面に慣れていたり、ある程度決闘を上手にやられる方だと、このハツミの弱点は露骨に出てきます。よって、これらをどうにかするのがハツミの相方に求められることだと思われます。
〈ハツミが相方に求めるもの〉
僕が思うハツミの相方に必要なものはこれです。
①安定して間合い4に戻ってくる手段
②優秀な「しゃがみ」札
①は意外と要求が高く難しいです。
※初心者は詳しく読む必要がないです。
実は『攻撃するために後ろに下がる』という行為はかなり弱いです。相手は空いたオーラで前進し直せば良いだけなので、下がる側は連撃でライフをしっかり削らなければなりません。しかし、ここで手札を使って下がる場合はその連撃の威力が落ちてしまい、結果的にテンポを掴むことができずに終わってしまいます。ここがいわゆる中距離ビートの弱点で、ハツミ、メグミあたりの弱点だといえます。
よって下がるカードは相手のオーラが埋まり相手が前進できないことを見越して、攻撃するターンの事前に間合いを近距離から離しておく、というように使います。(中距離レンジロックといいます。)下がる以上は自分のリソースはギリギリで、相手の適正間合いが合ってないことを頼りに生き延びる主張となります。中距離レンジロックは自分と相手のオーラ管理がかなり難しいので、基本的に初心者にはおすすめできません。
②に関しては、ハツミには一応「準備万端」というしゃがみ札が存在します。しかし、オーラ3回復を有効に使うのには、かなり緻密なオーラとダストの計算が必要で、かなり難しいです。(これは①の問題と併発するのが厄介です。)また、そもそも全力札は中距離ビートと相性が悪めです。手札をまとめて叩きたいのに対して、常に出力が落ちる危険性を孕んでいます。実は「準備万端」は控えめに言ってもかなり使いづらい性能で、何も考えずにデッキに採用することはおすすめしません。
とはいえ、このままでは纏ってる暇さえなくなってしまうので、ジリ貧で負けてしまいます。連撃の間に挟めるようなしゃがみ札として、やはり何かしらのリソース回復札は欲しいです。
このようにハツミはさまざまな課題があるわけです。
今回は『付与札』により、これらの問題を解決したいと思います。
『付与札』は初心者にとって挙動が難しく、敬遠されがちです。しかし、『時間差で効果を発揮すること』『場に留まり続けること』など、『付与札』ならではの効果があるので、ぜひ本デッキで体験して欲しいと思います。
〈基本デッキ〉
「八方振り」「石突」「圏域」「無音壁」「水雷球」「水流」「強酸」
「イサナ海域」「オヨギビ砲火」「ミオビキ航路」
〈デッキ解説〉
今回焦点を当てる札は「圏域」と「無音壁」となります。効果の解説はしっかり行いますが、基本的にどちらもわりと適当に使っても大丈夫なので、初心者でも回しやすいと思います。
・圏域
間合い4までさがれる札です。「跳ね兎」や「雪渡り」などの2後退札との違いは『時間差があること』です。リソースを潤沢に蓄えたまま次のターンを迎えられることはとにかく大きく、立ち回りがかなり楽になります。
『順風』が帰ってきたら、手札をまとめて叩けば大きな打点になります。気持ちよくなって大丈夫です。
『逆風』の時ですが、「水雷球」で2後退してから「強酸」などでつっついて、ターンを終えます。オーラ受けをすると「オヨギビ砲火」で、返しが『間合い6オーラ0かつ畏縮』となるので、大幅にテンポが取れます。ライフ受けは相手のオーラがつまり、前進できない状態となります。そして、次ターンにまた、フルリソースから連撃をすることができます。とにかく、ハツミの動きの足がかりとなる札となります。雑に強いので『攻撃したくない時に使う』くらいの認識で使って良いと思います。
・無音壁
しゃがみ札です。対戦テンポを維持するために採用します。
付与札なので、展開中は再構成に混ざらないです。「無音壁」に納が残っているということは、『攻撃されてない』=『順風』なので、再構成したとしても攻撃札が集まりやすく、終盤で大きく貢献してくれるカードとなります。
また、『順風』間合い2からでも八相状態での「石突」により即時で間合い4にさがる手段を持っています。上手にしゃがんで、フルアタックを決めに行きましょう。
付与札の弱点として、『ダストが枯れると展開できない』というのがありますが、ハツミは「オヨギビ砲火」や「強酸」などダストを作る能力は高いのであまり心配はないです。
〈初巡の動き〉
実はけっこう難しいです。3ターン目に『順風』で返ってくるか『逆風』で返ってくるか、ある程度予想して動いてください。
『順風』の時は、「水流」「水雷球」「オヨギビ砲火」を使い、『逆風』の時は、「強酸」「圏域」「ミオビキ航路」を使えると強いです。
〈立ち回り〉
「圏域」と「無音壁」を上手く使って、こちらの攻撃を通しに行く。
「水流」「イサナ海域」は『順風』で使う。「水流」の『全力化』は暇なときでいいです。
「水雷球」は『順風』時はライフに通りそうな時に使う。『逆風』時の後退効果の方が、強い盤面が多い印象。
「石突」「八方振り」の八相効果は狙えたら狙うくらいの気持ちで。八相は無理に維持するものではない。
瞬間的に間合い6に引きこもることで、次ターンの『順風』にできる場合があるので意識しておく。
〈終わりに〉
いかがでしたでしょうか。
色々と難しく書いてしまったかもしれません。しかし、適当に「圏域」「無音壁」を展開する。『順風』だから殴る。『逆風』だから、「強酸」を当てにいく。くらいの感覚で回しても意外となんとかなります。ですので、「ハツミ使ってみたいなー」という初心者さんが周りにいましたら、ぜひ本デッキを紹介してみてください。そしてもし、その初心者さんが研究熱心でしたら、本記事の解説で答え合わせをしていただけたら嬉しいです!
(ちなみにハツミ好きな新米ミコトはサイネと合わせることに反対しません。その点は安心しておすすめしていただければと思います。)