みなさんこんにちは。いずと申します。
今回は書こう書こうと思ってはいたものの、温め続けてしまった記事をようやくまとめることができたので、ここに放出しようと思います。
今回、紹介するのは『カードの重さ』(以後『Cost Point』の略としてCPと呼称することにします。)というふるよににおいての新しい概念です。
今後のみなさんのデッキ構築に活かしていただけたらと思います。
1.カードの重さ(CP)とは
大前提として、カードは表で使った方が強いです。通常札は全て共通で、伏せると『基本動作』になります。そして、表で使用するとそれ以上の効果が期待できる仕組みになっています。特に、『ふるよに』では手札枚数の上限が2枚なので、うまく使えなかったカードは高確率で『基本動作』に変換されることになってしまいます。極論、『ふるよに』は、どれだけ上手にカードを表で使用したかで勝敗が決する、ということです。
ということで、本日のテーマは『カードをどうやって表にするか』というところです。
カードには『使いやすさ』があります。
ここでいう『使いやすさ』とは、どんな状況でも表で使用できるかということです。
一見カードパワーが高めに見えても、表で使用できなければ意味がありません。採用したカードを使用できず、カードの強みをうまく引き出せなかったときに、そのカードのCP(Cost Point)が高く、手札管理に失敗した、と表現することにします。
(『ふるよに』に限らずどんなゲームでも言えることですが、)
カードパワーが高いものはCPが高く、カードパワーが低めに見えるものはCPが低く設定されています。
たとえば、『ふるよに』においてもっともわかりやすいものでは、『非全力札』と『全力札』の違いです。
例:「号令」「制圧前進」
次のような状況を考えます。
①手札が3枚、集中力が1、徴兵済み0枚
②手札4枚、集中力が2、徴兵済みが2枚の状態
①では「制圧前進」があれば「号令」以上のリソース回復が期待できます。
しかし②では「制圧前進」はうまく使えず、「号令」+αの行動を取れた方が強いです。
実際の盤面では、ミズキ様は手札に「反攻」や「撃ち落とし」を抱えていることが多く、②の盤面になることが少なくないです。
(これは「反攻」「撃ち落とし」のCPが高いことも示しています。)
つまりかんたんにまとめると
「号令」はCPが低く使いやすいカード、
「制圧前進」はCPが高く使いにくいカード
だということになります。
2.カードの重さ
ここでカードによるCPの値をいくつか考えていきましょう。
2.1.斬
「斬」は3-4 3/1の攻撃です。これは『離脱』から気軽に使用することができるため、かなりCPが低いといえます。仮に「斬」は1CPとします。
2.2.薙斬り
「薙斬り」は4-5 3/1の攻撃です。まず、『対応』のテキストがありますが、「薙斬り」は能動的に使うことも多いため、一度無視します。4-5の間合いで使用するためには『後退』か『移動札』を合わせて使う必要があり、いつでも気軽に使うことはできません。しかし、しゃがんだ次のターンには、『基本動作』や『移動札』と組み合わせて使用することができ、2ターンに一度は使用できる程度のカードです。よってコストは3CPとします。
2.3.ラピッドファイア
「ラピッドファイア」は6-8 2/1の攻撃です。間合いがかなり遠く、しっかり手札を作ってから使用する必要があります。デッキ1〜2巡で手札を整えて、ようやく使用できるかどうかというカードです。また、強く使うためには条件も必要となります。よってコストは4CPとします。
2.4.雅打ち
「雅打ち」は『対応』で使うことで大きな利得を得るカードです。『対応札』は相手によって、手札の持ち方を変えないといけないカードとなるのでコストは5CP、と言いたいところですが、「雅打ち」は対応でなくても使うことがあるため1CPにもなると思います。
2.5.影菱
「影菱」はかなり特殊なカードです。基本的に、伏せて使う札となりますので、0CPとなります。
2.6.反攻
「反攻」は2-3 1/1の攻撃で、条件つきで強くなるカードです。そのまま使っても1APの仕事しかできないので、基本的に追加効果を狙って使います。しかし、その条件の重さから、コストは4CPです。
2.7.号令
行動札です。攻撃札と違い、間合いの使用条件がないのでコストはかなり低くなります。追加効果として、条件つきで集中を得ることができますが、かなり条件は厳しいです。追加効果を無視して0CP、追加効果を加味して1CP、仮に絶対に追加効果を狙うなら4CPとなります。
このことから、号令は集中+1効果を狙って採用するものではない、ということもわかります。
2.8.制圧前進
全力札です。全力札はターン中の行動ごと縛られるため、コストはかなり大きいです。コストは5CPとします。
2.9.戦場
付与札はダストを要求するため、初巡からの使用が難しいカードとなります。また、条件を満たさないと効果が有効でない点、そもそも他のカードと組み合わせて使うことが必要な点を加味するとなかなか上手く使いづらいカードだと言えます。コンボカードであるので、相方との相性によりCPが変化しますが、平均して、2CPとしておきましょう。
3.カードタイプ別CPの概算
ここで、カードによるCPの概算を試みます。
・カードタイプ
①攻撃
A:間合い0〜1→2
B:間合い2→0
C:間合い3→1
D間合い4〜→3
②行動→0
③付与→0
❶対応→+5
❷全力→+5
その他
条件付き→+1
デメリット効果→+1
コスト有→+1
コストは0〜2が小さく、3が少し重ため、4〜5がかなり重たくなるイメージです。
4.手札のCPの管理
ここで手札の状態に応じたCPの計算をしてみます。
4.1.例① 斬・柄打ち・反攻・撃ち落とし
CPの合計:1+0+4+5=10
柄打ちと離脱から斬を使って終了になると思います。
4.2.例② 柄打ち・居合・反攻・撃ち落とし
CPの合計:1+5+4+5=15
①「一閃」使用、「居合」伏せ、残りはキープ
②「一閃」「反攻」使用、残りはキープ
③「居合」使用、「一閃」をディスカード
などが考えられます。
いずれにせよ、カードの強みを全て引き出せていません。このとき、CP管理は失敗と言えるでしょう。
このように、CPは10前後を推移して、15から黄色信号、20近くなるとバーストの可能性が高い、といったところでしょうか。
5.デッキのCPの管理
次はいくつかデッキの例をみながら、CP管理について考えてみましょう。
5.1.薙櫂
CP
3 0 0 5 2
3 3 ー ー ー
昔作ったデッキですが、1番解説に向くと判断してここで解説します。
手札1枚で再構成した後で、
①「無音壁」のみ使用
②「圏域」でしゃがみ
③「八方振り」「水流」「強酸」でショット
とまわしていきます。
「石突」「水雷球」が比較的打ちやすく、①~③の動きをサポートします。
この時、手札のCPの推移が
①「無音壁」5CP1枚
②「八方振り」「水流」「強酸」3CP×2枚
のどちらかになるので、CPがあふれることはありません。
よって、初心者にも感覚的に回しやすいデッキとなります。
5.2.傘兜
CP
3 0 5 4 5
5 1 ー ー ※
「大手楯無門」のCP踏み倒しを活用したデッキです。
状況に応じて「しこみばり」か「撃ち落とし」を徴兵することで、CP事故を防止します。
しっかり対応できている場合、地べたに張り付きながら「しこみばり」の徴兵でリーサルに向けた準備をします。
対応ができていない場合、「撃ち落とし」を徴兵して、「ふりはらい」から「しこみばり」で攻撃しましょう。
①「制圧前進」5CP
②「反攻」4CP+「ひきあし」5CP
と手札に抱えながら、引いてきた
・「戦場」+「ふりはらい」
・「ふりはらい」+「しこみばり」
などと手札を回していきます。
5.3.兜算
CP
4 5 0 3 1
0 5 ー ※ ー
三国杯にて、使用したデッキです。
2巡目頭に「大手楯無門」で「撃ち落とし」を徴兵するルートを作ってから、CP管理が安定するようになりました。
①多少CP事故が起きても「直接金融」を打つ
②「算法」「恫喝」がそろったら合わせて使う
③「投機」「号令」で手札管理
を意識して、動かします。
当時のトップティアのアキナは『投資』『回収』のギミックだけで十分に打点が出ました。これによりアキナの立ち回りを中心として、「反攻」以外のミズキのカードのCPをなるべく低くすることで、兜算は完成しました。
5.4.騎兜
CP
2 3 5 4 5
0 2 ー ー ー
1巡目をサリスペで変形した後は、
「Turbo Switch」「撃ち落とし」「反攻」を抱えて、
①「戦場」から「Beta-Edge」、「Steam Cannon」などでテンポをとるターン
②「戦場」に雑に「反攻」などを乗せるターン
③「Roaring」両方で「撃ち落とし」を構えているフリをしてしゃがむターン
④「号令」で手札調整をするターン
などで立ち回ります。
手札に入るカードのCPが軒並み高いので、『燃料』と『集中』の数は常に意識して、どのカードも使えるようにしておきましょう。
6.CPを変化させる特殊なカード
6.1.かさまわし
手札を1枚固定すること(と傘の開閉のタイミングを鑑みないこと)で、オーラを毎ターン1つ補充することができます。
確実に手札を圧迫するため、単体のCPがとても高いです。
6.2.引用
相手の『攻撃』のCPを引き上げる効果を持ちます。
6.3.あくせらー
手札の『全力』のCPを下げますが、『機巧』によりこのカード自体のCPが高いです。
6.4.大手楯無門
CPがあふれて手札を伏せる代わりに、手札を1枚とっておける効果をもちます。
6.5.山城水津城の鬨の声
手札の『全力』のCPを下げますが、このカード自体のCPが高いです。
6.6.毒
相手のCPを直接攻撃するカードです。
ただし、相手の手札の状況が直接見えるわけではないので、運用は難しいです。
6.7.『偽証』札(偽証ギミック)
カードを伏せるときに、1AP以上の仕事ができるようになります。
しかし、偽物で偽証をすると0APになるリスクもあります。
6.8.ハンデス系
「無窮ノ風」「影菱」「壮語」「遠心撃」「砂風塵」「くるるーん」「黒き波動」
「カラハリ灯台」「残光」「ラナラロミレリラ」などです。
相手の手札管理を難しくします。
相手のCPの許容範囲を下げる効果と言い換えてもよいでしょう。
7.おわりに
いかがでいたでしょうか。
今回は『手札管理』を定量化できないか、という試みで記事を書いてみました。
暫定的にでも数値として表現できたので、個人的にもかなり満足のいく仕上がりになりました。さらにこれにより、ミズキ様の回し方もいくつか理論的に説明できるようになったと思います。
しかし、まだまだ詰め切れていない部分も多くありますので、またどこかで具体的な数値は調整したいです。よさそうな案がありましたら、ぜひDMなどで教えてくださると、私が喜びます。
では皆さん、ご一緒に。
今日も一日、手札のCP管理!!
このブログでは「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から画像をお借りしています。
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